子どもの頃、田んぼのあぜや空き地で、ハハコグサを摘んで遊んでいました。
指でつまむとふわっとして、黄色い花がかわいらしい、あの草です。
だからハハコグサは、私にとって「よく知っている雑草」でした。
ところが、大人になってから春の七草のひとつ「ゴギョウ」って何?と疑問に思うように。
調べてみると、それがあのハハコグサの花が咲く前の若い姿だと知って、正直少し驚きました。
知っていたはずの草と、知らない名前の七草が、実は同じ植物だったのです。
春の七草「ゴギョウ」って何?
ゴギョウはハハコグサの花が咲く前の若い頃
ゴギョウは七草の中でも姿が想像しにくい代表のひとつですよね。
ややグレーがかった緑でうぶ毛があってやわらかいです。

春になると黄色い花をつけますが、七草粥で食べるのは1月7日。
この若い頃を「ゴギョウ(オギョウ)」と呼び、春の七草として食べるのです。
春の七草

春の七草は、1月7日に七草粥にして食べる風習がありますね。
せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、の7つです。
野草は生命力が強く、寒さを乗り越えて育ちます。
そうした草を食べて、無病息災を願ってきたのです。
なので、この時期にスーパーで買えるカブや見つけられる野草でお粥をつくって体をいたわりたいですね。
ゴギョウの正体は、田んぼの雑草・ハハコグサ

ハハコグサは、稲刈りの終わった田んぼや畔で見かける雑草で、ゴギョウが成長した姿です。
街でも郊外の空き地や道端などでも見かけますね。
ハハコグサは黄色い花で少し珍しい見た目で、似た花はあまり思い浮かびません。
花も葉も茎も、やわらかい産毛に包まれ、ビロードのような感触。
春のやわらかい日差しの中で、姉や弟と摘んで遊んだ幼い頃の記憶がよみがえります。
七草として食べるのは、ハハコグサの若い株
ゴギョウに限らず、野草はたいてい成長する前の若い頃や芽を食べます。
草餅で有名なヨモギも成長した姿とは違い、ややグレーがかって土にペタッと生えています。
野草も芽ぶいて間がない方がやわらかく、おいしいからです。
成長すると筋が出て、食べにくくなってしまいます。
だからゴギョウも、やわらかさのある1月に七草粥として食べるのですね。
すずなは丸いカブ、スズシロは大根のことで畑で野菜として栽培されますが、
実は春の七草の多くは、田んぼやその周辺に生える雑草です。
セリは田んぼ近くの流れのゆるい浅い川で自生しています。
スーパーで売られているセリは、栽培されたものもありますが。
ゴギョウの食べ方|お粥とかき揚げ
ゴギョウはクセの少ない野草です。
ゴギョウはお粥にすると、お腹に優しい味
ゴギョウは、ビタミンやミネラルが豊富で、消化を助ける効果があるとされています。
七草の日じゃなくてもいいのですが、時期的にやわらかい芽の頃に食べたいですね。
1月7日にこだわらなくていい、体調がすぐれない時にもよいと思います。
その時に手に入る大根やかぶの葉といっしょに。
ゴギョウだけでは味を感じにくいのでカブ(すずな)の葉といっしょが特におすすめ。
かき揚げは意外とおいしく食べやすい
ゴギョウの食べ方は、野草感が出にくいのが天ぷらや他の春の七草と一緒にかき揚げです。
野草はたいてい天ぷらかきんぴら風に食べるのがおいしいですね。
それから、胡麻和えのおひたし、など。
おわりに|あの草が、七草だったと知ったら
来年、間違わずにゴギョウを摘みたいと思ったら、
春にハハコグサの花が咲いている時期に、場所を覚えておくのがおすすめです。
道端や田んぼで見かけたら、メモしておくと安心ですね。
他の見つけにくい七草も、同じように覚えておくと役立ちます。
お庭がある家なら、植えておくのもひとつの方法です。
料理研究家の辰巳芳子さんは、
「朝、野菜ジュースを作るとき、果物や野菜の中に何か一つ庭の野草を加える。」とおっしゃっていました。
食べられるとわかっている野草だけに限ってですね。
身近な草に目を向けると、季節の楽しみが少し増える気がします。

