くずきりは秋の七草の ”クズの根から作られる高級素材”。
かたや、マロニーは “とうもろこしやじゃがいものデンプンから作られるので安価”です。
つるっとした食感は似ていても全く違う食べ物です。
くず切りはデザートに、マロニーはおかずに向いています。
くずきりとマロニーは見た目が似ていますが、原料・使い方・カロリーの面で大きく違います。
特徴や料理での使い分け、栄養面の違いをわかりやすくまとめました。
くずきりとマロニーの違いは?【原料・食感・使い道の基本】
くずきりは伝統的な上品な和の食材、「マロニー」は現代的で扱いやすい万能食材です。
原料がまったく異なるため、食感も料理の向きも変わります。
原料の違い
くずきり:クズの根からつくられる葛粉
葛粉はマメ科の葛の根からとれるデンプンで、古くから漢方や和菓子に使われてきました。
なぜなら、葛粉には身体を温める作用があるといわれ、滋養食としても重宝されてきたからです。
実際に、くずきりは消化がよく、体調がすぐれないときにも食べやすいです。
マロニー:「じゃがいも」と「とうもろこし」のデンプンが原料
くずきりに比べてずっと身近で、現代の食卓向きに工夫された食品といえます。
デンプンを加工して乾燥させることで、日持ちがよく、短時間で戻せて、しかも煮崩れしにくいというメリットがあるからです。
つまり、マロニーは「毎日の料理に取り入れやすく、手軽にヘルシーさをプラスできる食材」。
鍋物だけでなく、サラダや炒め物に応用できるのも強みですね。
食感の違い
くずきり:くずきりは葛粉を使った昔ながらの食材で、つるんとした口あたりとやさしい透明感が特徴。
マロニー:弾力があり、モチッとしたコシ。煮崩れしにくい。
食感の強さから、マロニーは「料理向け」、くずきりは「やさしい口当たりの料理・デザート向け」と考えると分かりやすいです。
基本の使い道
くずきり:涼やかなデザート、サラダ、お吸い物
マロニー:鍋もの、スープ、炒め物、和え物
カレーをルウを使わずに、スパイスから手作りする場合の ”とろみ” として使う場合は、葛切りの原料である、くず粉も、マロニーの原料である、コーンスターチや片栗粉もすべて使えます。
(余談ですが、とろみとしてはもちろん、小麦粉や米粉も使えますよ。)
料理でどう使い分ける?鍋・スープ・デザートで比較
くずきりとマロニーは向くレシピが違います。
鍋料理に向くのはマロニー
→ マロニーが圧勝。
煮崩れにくく、味がしみ込み、弾力が残ります。
すき焼き、寄せ鍋、キムチ鍋など、味の強い料理でも伸びにくいです。
くずきりは火にかけすぎると柔らかくなりすぎるので、鍋の締めに軽く入れる程度が良いです。
スープ・サラダの場合はどちらも可
コクのあるスープ:マロニー
さっぱりした和風だし:くずきり
冷たいサラダ:どちらも可ですが、マロニーのほうが食感が安定しています。
デザートにできるのは”くずきり”
→ くずきり一択。
黒蜜きなこ、フルーツポンチ、梅シロップなど和風デザートとの相性が抜群。
マロニーは食感が硬めで、デザート向きではありません。
くずきりとマロニー【カロリー・糖質・栄養素の違い】
カロリー・糖質の比較(乾燥タイプ100g)
| 項目 | くずきり | マロニー |
|---|---|---|
| カロリー | 約330kcal | 約340kcal |
| 糖質 | 高め | 少し高め |
| 特徴 | 原料により変動 | 芋+コーンで安定 |
実は、カロリーそのものは大差ありません。
ただし実際に食べる量は「戻し後の重量」が違うため、体感のカロリーは変わります。
ダイエット向きなのは?
腹持ち重視:マロニー
軽さ・喉ごし重視:くずきり
砂糖を使わない料理で使うならどちらもOK
ただし、くずきりを黒蜜で食べれば当然カロリーは上がります。
食べ方も大事なポイントです。
おすすめのレシピは?
くずきりとマロニーは、それぞれ得意分野のレシピで使い分けるのがベストです。
くずきりのおすすめレシピ
くずきりは「デザート」と「上品な和食の仕上げ」にぴったりで高級素材でもあるのです。
なぜなら、透明感とつるんとした口あたりが上品な味わいだからです。
具体的なおすすめは、
- 黒蜜&きな粉の冷やしくずきり:和菓子の定番で、夏のおやつにぴったり
- 鶏鍋の〆にくずきり:さっぱりして最後まで食べやすい
- すき焼きの副材に:濃い味のタレと絡み、口直しにもなる
つまり、くずきりは「特別感のある一品」にこそ活きる食材です。
マロニーのおすすめレシピ
マロニーは「鍋料理」や「ボリュームを出したい料理」に最適です。
マロニーは煮ても伸びにくく、弾力があるので、具材と一緒に煮込んでも最後までおいしく食べられるからです。
具体的なおすすめは、
- 寄せ鍋やしゃぶしゃぶ:煮崩れせず、スープの味を吸って最後までつるつる
- 中華風春雨炒め(チャプチェ風):春雨の代わりに使うともちもち食感に
- マロニーサラダ:ツナや野菜とあわせ、さっぱりヘルシーな副菜に
つまり、マロニーは「毎日の食卓で安心して使えるヘルシーな主食代わり」として大活躍します。
まとめ
くずきりとマロニーは見た目が似ていても、原料や食感、使い道は大きく変わります。
鍋やスープの料理にはコシのあるマロニー、軽い口当たりやデザートにはくずきりが最適です。
マロニーは日常使いのおかずに活躍。
くずきりは特別なデザート向き。
料理の場面に合わせておいしく使い分けてみてください。

